第1巻 阻止編 BOOK REVIEW
日の本の女性は太陽
太陽は大地を照らし、地中に眠る蝶の卵を温め、卵から幼虫・蛹(さなぎ)・そして羽化させ、羽ばき天空を翔けさせる。
「徳光 眞理亜」として生まれ、「阿部 眞理亜」となり、右頬を切られ11センチのスカー(傷)を持つ「スカーフェイスのマリア」と呼ばれた蛻変(ぜいへん)の人生がそれだ。
この華やかな蝶は、大きな陰を内なるものとして、我が病院を喰った者を除き、喰らおうとする者を、仲間とともに戦い、傷つきながらも排除・阻止しつつ、他の病院を喰らいながら強くなっていく。
登場人物などの一部紹介
・眞理亜(まりあ)…「スカーフェイスのマリア」と言われた。徳光修治・福美夫妻の長女として父の郷里、熊本市で生れ、5才のとき両親が交通事故死、福美の母、阿部幸代の養女として育つ。東大・ハーバードMBAから、あくつ会に平職員として入職。
・阿部幸代(あべ さちよ)…眞理亜の祖母だが、養母となり、眞理亜を善導。
・徳光真里絵(とくみつ まりえ)…眞理亜の従妹。妹分として上京し、幸代と生活。
・阿久津大善(あくつ だいぜん)…(医)あくつ会・2代目理事長(医師)、前妻の死後3年目。眞理亜がキャリア(平職員)で入職、1年後に再婚。
・木津龍次(きづ りゅうじ)…広域指定暴力団系の(フロント)企業の実質的トップとして、金融会社等を経営。妻とともに全身に、ペアの龍の刺青を入れている。
・「光の存在」…年令・性別不詳。人以外の、「ありてある」3次元世界を超える存在。人の目からは、光の玉にしか見えない。眞理亜に密かに、ある使命を組み込む。
発売日:2009年12月1日 出版社:文芸社
A5判 376頁 定価1,575円(税込)